《MLBニュースが100倍わかる用語集 #1|DFA・ウェーバー・オプション》

MLBのニュースを見てると、「〇〇選手がDFAに…」みたいな見出しをよく目にしますよね。

でもこれ、「DFA」って何の略?どういう意味?
「クビ?戦力外?」って思ったこと、ありませんか?

実はこのDFA、ただの解雇じゃなくて、
MLBならではのちょっと複雑な人事ルールなんです。

ということで、今回は、MLBのややこしい人事用語【DFA・ウェーバー・オプション】をまとめて解説!
これを知ってると、選手の移籍や契約ニュースが100倍楽しめるようになります!


DFAとは?

DFAは「Designated For Assignment」の略で、日本語に訳すと「割り当て待ち」といった意味になります。

簡単に言うと「この選手、今すぐはメジャーで使わない。でもどうするかは保留中」って状態です。

MLBの各球団には「40人ロースター」という、メジャー契約を結んでいる選手の枠があります。ある選手をこの40人枠から外したい場合に、一時的にその選手の処遇を保留にするのが「DFA」です。

DFAされた選手について、球団は7日以内に以下のいずれかの処理を行う必要があります:

  • 他球団とのトレード
  • ウェーバーにかける(後述)
  • マイナー降格(選手の同意が必要な場合あり)
  • 自由契約(リリース)

つまりDFAは、すぐにクビというわけではなく、「この選手どうするか決めよう」のステップというわけですね。


ウェーバーとは?

DFAされた選手は、多くの場合「ウェーバー」にかけられます。

これは、他の29球団がその選手を指名できる制度。

クレーム(=指名)されたら、その球団にそのまま移籍します。されなかった場合は、元の球団がマイナーに降格させるか、完全にリリースするかを選べます。

この「拾う/拾われない」の攻防が、裏で行われているんです。


オプションとは?

オプションっていうのは、選手がメジャーとマイナーを行き来できる権利のことです。

メジャーの40人ロースターに入っている選手には、基本的に3回までオプションが使えるシーズンが与えられます。

その年の間は、何度マイナーとメジャーを行き来しても、カウントされるのは1回だけ。

ただし、マイナーでの滞在が20日未満の場合は、その年のオプションは消費されません。

つまり、オプションは3回だけ使えるチャンスのようなもので、それをすべて使い切ってしまうと、もう自由にマイナーに落とすことはできなくなります。

そうなると、選手をマイナーに降格させるには、いったんDFAして、他の球団に取られないかを確認する必要があるんです。

だから、オプションが残っているかどうかは、チームにとっても選手にとっても、すごく重要なポイントなんですよね。


DFA・ウェーバー・オプションの関係まとめ

この3つの制度は、実際には以下のように密接に関わっています:

  1. オプションが残っている選手は、自由にマイナー降格が可能
  2. オプションが切れていると、マイナーに落とすにはDFAが必要
  3. DFAされた選手は、ウェーバーにかけられることが多い

「オプション切れ → DFA → ウェーバー」の流れは、MLBの人事で非常によく見られるパターンです。


実例:3人の選手から見るDFAの現実と可能性

ここまで制度の説明をしてきましたが、実際にこの制度によって大きな影響を受けた選手たちを3人紹介します。

エディ・ロサリオ(ドジャース)

まず紹介したいのが、ドジャースからDFAされたエディ・ロサリオのケース。

2024年オフに加入したものの、シーズンではわずか2試合の出場。
そして2025年4月、大谷翔平が父親リストから復帰したタイミングで、40人枠の整理のためにDFA。

活躍するチャンスすら与えられずに外されるという、DFAの非情さが色濃く出た事例でした。
情なケース。

ブレント・ルッカー(アスレチックス)

一方で、DFAをきっかけにキャリアを開花させた選手もいます。

それが、アスレチックスのブレント・ルッカー。

2022年オフ、ロイヤルズからDFA → アスレチックスがウェーバーで獲得。

新天地でのチャンスをつかみ、2023年には30本塁打を放ってオールスターにも選出。

さらに2024年には39本塁打・OPS.927というキャリアハイの活躍を見せ、MVP投票でも10位に入るほどのブレイクを果たしました。

DFAからの大逆転──まさに「再出発の象徴」です。

トリストン・マッケンジー(ガーディアンズ)

そして2025年4月21日、もうひとつ大きなDFAのニュースがありました。

ガーディアンズのトリストン・マッケンジーがDFAされたんです。

彼は2022年には防御率2点台で191イニングを投げたローテーションの柱。

それがここ2年で成績が下降し、2025年の開幕からは防御率11点台。

たった5.2イニングで7四球という内容で、ついにチームが決断を下しました。

期待された若手投手ですら、結果が出なければDFAされる。

それが今のメジャーリーグのリアルです。


よくある誤解

「DFAされた=即戦力外」と思われがちですが、実際には枠の調整や、一時的な処理というケースも多いです。

また、「オプション切れ=選手に問題あり」ではなく、年数経過で仕方なく使い切ったというだけの場合もよくあります。

選手の価値がどうこうではなく、制度上の都合ってこと、意外と多いんです。


まとめ

今回は、MLBの人事用語【DFA・ウェーバー・オプション】をわかりやすく解説しました!

これらを知っていると、ロースター移動や昇格・降格のニュースの見え方がガラッと変わります。

そして、DFAされてもそこで終わりじゃない。

そんなドラマがあるのも、MLBの面白さです!

今後は、年俸調停やFA制度など「MLBの契約の仕組み」について紹介予定です。

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